ダーム・パトロネス マヤ・ホフマン氏の新建物「LUMAアルル」 Dame Patronesse Maja Hoffmann’s New Building "LUMA Arles"
2004年には芸術機関を支援するための財団(LUMA財団)を創立した Maja Hoffmann マヤ・ホフマンさんが建築家フランク・O・ゲーリー Frank O. Gehry と組んで、南仏アルルで立派な、非常に目立っている建物を実現しました。古代ローマ時代から中世にかけての歴史の息吹が強く感じられる町アルルの景観が一遍に変わりました。
マヤ・ホフマンさんは日本で知られていませんが、スイスやヨーロッパのアートシーンでは現代アート企画展に関して重要なキーパーソンです。昔の裏話ですみません、、、チューリッヒ・クンストハレの館長 (Director/Curator)ベアトリクス・ルフ Beatrix Ruf の悩みを聞いた彼女は、その後、企画展の予算や彼女の給料を支援しました。キュレーターのハンス・ウルリッヒ・オブリスト Hans Ulrich Obrist やフィンセント・ファン・ゴッホ・アルル財団の芸術監督で務めていらっしゃるバイス・クリガー Bice Curiger(ヴェネツィア・ビエンナーレ2011年のディレクター)との友人関係も有名です。現代アート実践の方向性を用いて、この派閥はスイスだけではなく、米国やヴェネツィア・ビエンナーレまでの影響力を持っていることと言えるでしょう。マヤ・ホフマンさんとアートディーラーたちのEva Presenhuber(スイス)、Barbara Gladstone(米国)とGavin Brown(米国)のお互いに助け合い行動が感じられます。
アルルで行われた、珍しいインタビューを是非とも見てください。
マヤ・ホフマン・コレクションの中、ヴィデオ作品も含まれています。例えば、(Gavin Brownの)アーサー・ジャファ2016作「Love is the Message, The Message is Death」(ヴェネツィア・ビエンナーレ2019年 金獅子賞)、
参考:
Arthur Jafa’s “Love is the Message, The Message is Death”
https://art-culture.world/articles/arthur-jafa-love-is-the-message-the-message-is-death-アーサー・ジャファ/
または、(Barbara Gladstoneの)Christian Marclay “The Clock”(2010年作、ヴェネツィア・ビエンナーレ2011年 金獅子賞)や(Eva Presenhuberの)Ugo Rondinone “THANX 4 NOTHING”(featuring John Giorno)(2015年作、ヴェネツィア・ビエンナーレ2007年のスイス・パビリオン)。
(Hans Ulrich Obristの友人) Rirkrit Tiravanija “DO WE DREAM UNDER THE SAME SKY” (Interview) @ LUMA Arles, Maja Hoffmann Collection
我が国にも、現代アーティストたちを支援する、マヤ・ホフマンさんと同じような、素晴らしいダーム・パトロネスたちがたくさんいればいいな〜。
2021年6月23日
亜 真里男
Maja Hoffmann, fortune planétaire, veut faire d’Arles un pôle culturel
日本のartscapeでは次のような説明が載せています。Copyright + courtesy by 木村浩之 と artscape。
https://artscape.jp/focus/10000036_1638.html
(2011年05月01日号の文章)
マヤ・オエリ女史(Maja Oeri 1955~)
マヤ・ホフマン女史(Maja Hoffmann)
コレクター、スポンサー
「シャウラーガー」とスイス女性史の文脈において、触れずにはいられない女性がもう二人いる。マヤ・オエリとマヤ・ホフマンである。
マヤ・オエリは、バーゼルの製薬会社ホフマン=ラ・ロシュ(ロシュ製薬)の役員でありコレクターであったエマニュエル・ホフマンとマヤ・ホフマン(後の再婚によりマヤ・ザッハー)夫妻の孫にあたる。美術史を専攻し、ドクメンタ7(1982年)、パリ・ポンピドゥーセンターなどでの勤務経験(「パリ・ベルリン展」1978年)のある彼女は、1995年よりエマニュエル・ホフマン財団コレクションの会長となる。より開かれたコレクションとするために尽力し、それが上記シャウラーガーとなっている。さらに2000年以降、イギリス人以外では初めてのテート・モダンの評議員会メンバーとなるだけでなく(すでに退任)、ニューヨークMoMA、DIAアート財団、ロサンゼルスMOCAなどでも評議員会に名を連ねている。2015年オープン予定のバーゼル市立美術館増築プロジェクト(クリスト&ガンテンバイン設計)に、美術館に隣接する敷地と予算の半分にあたる約50億円をバーゼル市に寄贈したり、また2011年3月に、彼女が保有する5%ものロシュ社株の売却により創業者一家による株保有率が過半数の50.01%から半分を下回る45.01%へ下落するというスキャンダルを起こしたりと、話題には事欠かない人物である一方で、インタビューを一切受けないなどメディア露出が極めて少なく、謎に包まれた人物である。
一方、エマニュエル・ホフマン財団コレクションの副会長となっているマヤ・ホフマン(1955年頃?生まれ)は彼女のいとこに当たる。自然保護活動など社会的活動の傍ら、2004年には芸術機関を支援するための財団(LUMA財団)を創立して、チューリヒ・クンストハレ、チューリヒ・クンストハウス、バーゼル・クンストハレ、ヴインタートゥール写真美術館、パリ・パレ・ド・トーキョー、ロンドン・サーペンタインギャラリー、ニューヨーク・スイスインスティテュートなどのサポートの他、フランク・O・ゲーリー設計による南仏アルルの国際写真祭の会場にもなっている「パルク・デザトリエ(Parc des Ateliers)」(2013年末第1期オープン予定)のプロジェクトに150億円投資すると伝えられている。これら以外にも、SANAA(妹島和世・西沢立衛)が設計したニューヨークのニューミュージアム(2007年)の3階は彼女の名前を冠したMaja Hoffmann/Luma Foundation Galleries となっているほか、ピピロッティ・リストの映像作品《ペパーミンタ》(2009年)のサポート、2010年よりテート・モダンの評議員など、活動の広さとその資金力はマヤ・オエリに引けをとらない。
この二人に共通するのは、また同じくマヤという名前の祖母であり、現代の二人のマヤに共通する芸術支援の志もまた祖母ゆずりのものである。
Wikipediaにも、マヤ・ホフマンの仕事や芸術機関の支援が紹介されています。
Maja Hoffmann (born 1956) is a Swiss art collector, art patron, documentary producer, impresario, and businesswoman. She is the founder and president of the LUMA Foundation.
https://en.wikipedia.org/wiki/Maja_Hoffmann
LUMA財団
https://www.luma.org/arles/
LUMA Foundation is a nonprofit organization established in 2004 that is based out of Zurich, Switzerland. It supports the activities of independent contemporary artists and other pioneers working in the fields of art, photography, publishing, documentary, and multimedia.
https://en.wikipedia.org/wiki/LUMA_Foundation
2021/6/28 アップデート:
Jun 27, 2013 Urs Fischer – Untitled, 2011 – MOCA U – MOCAtv
Amidst the crumbling of thousands of clay sculptures on the floor of The Geffen Contemporary at MOCA stands Urs Fischer’s “Untitled” (2011), a trio of perpetually changing sculptures which includes the artist’s bold reinterpretation of Giambologna’s sixteenth-century Mannerist masterpiece “Rape of the Sabine Women” as a monumental candle. This behind-the-scenes installation footage pictures sections of torsos and bodies lofted and affixed to each other to create the sculpture’s dynamic composition. Once the wicks are lit, the sculpture is subjected to a process of melting and dissolution, transforming the static figures and adding a performative element and a sense of duration to the work.
Lender: Collection Maja Hoffmann
check:
ルドルフ・スティンゲルが焼け落ちる Burning Down Rudolf Stingel
https://art-culture.world/articles/burning-down-rudolf-stingel/
(Fondation Van Gogh Arles 2016)
up-date 2021/11/2
Christopher Wool Used to Be the Market’s Most-Wanted Artist. Now, His Auction Sales Have Sunk by 85 Percent
Seven works by Wool are hitting the block in the upcoming November evening sales in New York. But the correction has already arrived.
Katya Kazakina, November 1, 2021
https://news.artnet.com/news-pro/christopher-wool-art-detective-2028676
compare with:
アーサー・ジャファ作「Love is the Message, The Message is Death」
Arthur Jafa’s “Love is the Message, The Message is Death”
https://art-culture.world/articles/arthur-jafa-love-is-the-message-the-message-is-death-アーサー・ジャファ/
ここに載せた写真とスクリーンショットは、すべて「好意によりクリエーティブ・コモン・センス」の文脈で、日本美術史の記録の為に発表致します。Creative Commons Attribution Noncommercial-NoDerivative Works photos: cccs courtesy creative common sense
今日のおまけ: