Satomi Nakai from New York: 西村有「Clearing Unfolds」@ デイヴィッド・ツヴィルナー ギャラリー、ニューヨーク Yu Nishimura "Clearing Unfolds" @ David Zwirner Gallery, New York
Yu Nishimura: Clearing Unfolds
April 24—June 27, 2025
David Zwirner
New York: 69th Street
https://www.davidzwirner.com/exhibitions/2025/yu-nishimura
1982年生まれのアーティスト西村有がニューヨークのメガギャラリーの一つ、David Zwirner の契約アーティストになってニューヨークで初個展を開いた。David Zwirnerの契約アーティストで日本人は他に草間彌生、河原温、日下翅央(しお)、ルース・アサワ(日系アメリカ人1926-2013)
過去には曽根裕の取り扱いもあった。
西村有は日本ではオペラシティギャラリーや金沢21世紀美術館等で展覧会をしている。
パリではCrèvecœur、ロンドンではSadie Coles HQでの取り扱いとなっている。
知らない作家だったので日本語で検索したら、大森俊克さんという、過去に職場で一緒に働いたことのある人の評論が出てきて、とても秀逸だった。
その人はベルリンの大学院出身で現代思想にも詳しく、その人の評論を英訳したものを添付するだけで世界を飛び回れるのではないかと思うクオリティだった。
作品を実際に見てみると、薄塗りのマチエールの表現がうまい。
主題のアニメのような登場人物は、日本人には見慣れている感覚なので、日本に行けば彼一人がもつオリジナルな感性ではないと思った。
懐かしの風景の描写とか、顔の前に突然出てくる猫とか、目の前のものを忠実に描く写実というより、記憶の中の風景をキャンバスに表しているようだ。
この展覧会はDavid Zwirnerの娘さんが作家を気に入って取り上げることになったそう。(娘さんもギャラリーでディレクターをしている)次世代交代、次世代感覚を取り入れたのかなと思う。
アメリカよりヨーロッパ向けかなとも思いましたが、David Zwirnerはドイツ・ヨーロッパ家系なので、そういうことかな。
David Zwirner 取り扱い作家のリュック・タイマンスとも観比べてみたくなった。
Text and photographs by Satomi Nakai
文・写真:中井里美
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