天皇皇后両陛下 初の肖像画 Portrait Painting of Their Majesties the Emperor and Empress of Japan
天皇皇后両陛下 初の肖像画が退位を前に完成 宮内庁公表へ
5月21日 15時14分 皇室
天皇皇后両陛下の承諾を得て描かれた初めての肖像画が、来年の天皇陛下の退位を前にこのほど完成し、宮内庁が21日にも公表することになりました。
この肖像画は、日本の写実絵画の第一人者で、広島市立大学名誉教授の野田弘志さん(81)が制作した油絵で、ことし1月に完成し、3月に皇居に収められました。
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野田さんは、両陛下が皇太子夫妻の頃から、たびたびお住まいに招かれるなど交流があり、8年前の平成22年に肖像画の話が出たあと、平成26年に皇居・宮殿で撮影された両陛下の写真を元に、北海道のアトリエで制作が進められました。
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両陛下の承諾を得て肖像画が制作されるのは、初めてのことで、両陛下は野田さんに対し、「肖像画ができてとてもうれしい」と話されているということです。宮内庁は、この肖像画を21日にも公表することにしています。
野田さんは「画家として、これ以上光栄なことはありません。両陛下という存在をどのように表現するのか悩みましたが、自分なりに精いっぱい描きました」と話しています。
制作は日本の写実絵画の第一人者
野田弘志さんは、広島県出身の81歳。
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両陛下とは、皇后さまと共通の知人がいたことで皇太子夫妻の頃から親交があり、以前、皇后さまが訪ねられた展覧会で野田さんが自分の作品を説明したこともあったということです。
より詳細な情報へ:(そのうち、NHKの記事は消えます)
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20180521/k10011446801000.html
即位後初 天皇皇后両陛下の肖像画が完成 宮内庁(18/05/22)
https://ja.wikipedia.org/wiki/野田弘志 より:
年表
1936年、6月11日に韓国全羅南道に生まれる(本籍地は広島県沼隈郡柳津村)。その後、福山、中国・上海と転居。
1956年、上京し阿佐ヶ谷美術学園洋画研究所に通う傍ら、森清治郎に絵画を学ぶ。
1966年、『現代日本文学館 三島由紀夫』(文藝春秋)の挿画を製作。
1983年、朝日新聞の朝刊に連載された加賀乙彦の小説『湿原』の挿画を担当( – 1985年)。
ヨーロッパの絵画と日本の絵画、現代日本の絵画
野田自身は研究しなかったものの、ヨーロッパの古典的な絵画の技法が水性の塗料(水性の絵具)の上に油性の塗料(油絵具)を重ねることによって成立するものであることを認め、近年の日本におけるこの研究に対して一定の関心を示すと共に、大学における研究と実践に携わる者として、田口安男や絹谷幸二、佐藤一郎を挙げる。しかしながら、テンペラによる表現は全て油絵具で出来るとして退ける。
また、野田自身が経験して来たことを認めつつも、食べて行く為の絵画と自己の研究の為の絵画を分けることを、日本に特有のダブルスタンダードであると指摘し、本音と建前の二重構造を許容するこの日本の習慣が甘えを生み、現代日本の絵画が世界的に評価を得られない理由になっているとして批判する。
2014年04月22日
Art Annual online より:
http://www.art-annual.jp/news-exhibition/news/35018/
【特集】 「存在の美学 第三回伊達市噴火湾文化研究所同人展」 野田弘志×永山優子×小尾修 特別鼎談
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― 画家としての哲学 ―
野田 僕らは西欧的なリアリズムをやろうとしている。リアリズムは色々な形で過去からあったけれど、常に「人間」という存在がテーマにあった。その流れにはキリスト教という一神教が巨大な柱になっている。絶対的な精神であり魂。生まれたときからそうした環境に浸っていて、日本とはまるっきり違う。僕らがそれを追求するならば、一般的な「芸術」を超えるほどのものを目指さなければならないし、自分の哲学を持っているべきだと僕は思う。
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野田 写実なんて古いと言われるし、現代アートの連中は馬鹿にするかもしれない。それでも写実をやっている。その存在理由を考えてしまう。僕は、写実は今後も絶対に滅びない、唯一の柱になるべき存在だと考えている。絵って何だ。人間って何だ。そういうことを突き詰めようとしているのが写実だと思うんだよね。
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野田 僕は、本当のリアリズムの展覧会を世界に向けて日本から起こしたい。「存在の美学」はそういうグループ展でありたいと思っている。今でこそ写実をやる人が相当増えたけれど、昔は写実の絵描きはみんな食えなくてね。それで広島に野呂山芸術村を作って「存在の美学」をやった。ところが、その時は本物の写実を追求するよりも、絵描きを集めることに執心していた。存在の美学と言えるものじゃなかった。
近頃やっと絵で食えるようになったけれど、それはホキ美術館のおかげ。最近は、保木さんも「飾るための作品はもういらない。芸術が欲しいんだ」と言ってくれていて、そろそろ僕も鑑賞界から身を引いて、もう少し純粋に存在を追求するリアリズムを紹介する場を、作っていきたいと考えている。
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野田 絵画は「飾り」であっちゃいけない。もっと人間の精神が作り上げた、清らかで純粋なものであるべきだと思う。マラルメは「一冊の聖書のような詩を書きたい」と言ったが、僕が目指すところも同じ。命をかけても出来るかどうか分からない。でも僕は―敢えて我々はと言いたいが―、それをやらないと死に切れない、やるんだと。そう考えていきたい。
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その他に、アップデート
日本文化の象徴、2019年1月1日
The Symbol of Japanese Culture, 1st January 2019
https://art-culture.world/articles/the-symbol-of-japanese-culture-1st-january-2019/
平和祈念展示資料館、小柳次一、宇多村英恵、大岩オスカール、明治天皇、昭和天皇、大嘗祭
Memorial Museum for Soldiers, Detainees in Siberia and Postwar Repatriates, KOYANAGI Tsuguichi, UTAMURA Hanae, OIWA Oscar, Emperor Meiji, Emperor Showa, Religious Imperial Enthronement Rites (DAIJO-SAI)
https://art-culture.world/articles/koyanagi-tsuguichi-utamura-hanae-oiwa-oscar-emperor-meiji-emperor-showa-war-documents/
先の戦争「あゝ悲し」 昭和天皇の直筆原稿見つかる(19/01/01)
昭和天皇の和歌の草稿公開 戦争、象徴「思い伝わる」
昭和天皇が晩年、和歌を推敲する際に使ったとみられる草稿が見つかり、保管者から託された朝日新聞社が1日、一部を報道陣に公開した。大半が未公表の歌だ。専門家は「筆跡や内容から直筆だと考えられる。歌の背景となった昭和天皇の思いが見て取れる。戦争や象徴への思いの一端が伝わる貴重な史料だ」と評価している。
朝日新聞によると、草稿には、1985~88年に詠んだ和歌が、宮内庁の罫紙29枚に表裏で57ページ分書かれている。鉛筆で縦書きされ、題材は戦争や地方訪問など多岐にわたる。保管していたのは昭和天皇に近い人物で匿名を希望している。
リンクへ
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/昭和天皇の和歌の草稿公開-戦争、象徴「思い伝わる」/ar-BBRFPrY
アップデート、平成31年1月17日
天皇皇后両陛下の肖像画 来月 初の一般公開へ
2019年1月17日 5時00分 皇室
宮内庁は、去年完成した天皇皇后両陛下の肖像画について、来月から皇居の「三の丸尚蔵館」で開かれる特別展で初めて一般公開する方針を固めました。
この作品は、日本の写実絵画の第一人者、野田弘志さん(82)が3年半余りかけて、去年完成させたもので、天皇皇后両陛下としての初めての肖像画です。
縦横2メートルのキャンバスに、両陛下が並んで立たれている様子が精緻に描かれていて、宮内庁は去年5月、報道機関に写真を提供して肖像画の制作を公表していました。
関係者によりますと、宮内庁は、この肖像画を、来月2日から、入館が無料の皇居の「三の丸尚蔵館」で始まる特別展で初めて一般公開する方針を固め、近く図録などの制作に取りかかるということです。
特別展は、天皇陛下の即位30年と、両陛下の結婚60年を記念して開かれ、肖像画の公開のほか、両陛下の歩みをお二人が詠まれた短歌とともに振り返る展示も行われるということです。
特別展は、ことし4月まで開かれる予定で、天皇陛下の退位を前に、国内外から大勢の人たちが足を運ぶものと見られます。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20190117/k10011780401000.html
両陛下の肖像画、初展示 並んだ姿を油絵で 特別展
皇居・東御苑にある宮内庁三の丸尚蔵館で2日から始まる特別展「御製・御歌(みうた)でたどる両陛下の30年」で、天皇、皇后両陛下の肖像画が初めて展示される。
肖像画は縦横約2メートルで、両陛下が並んだ姿が油絵で描かれている。宮内庁が依頼し、画家の野田弘志さん(82)が写真をもとに描いた。両陛下の肖像画は皇太子ご夫妻時代に制作されたものしかなく、両陛下の承諾を得て2014年から制作を開始。昨年3月に同庁に収められ、皇室の所蔵物「御物(ぎょぶつ)」として収蔵庫に保管されていた。
同展は、天皇陛下の即位30年と両陛下の成婚60年にちなんだもので、即位後に両陛下が歌会始に詠んだ御製と御歌をはじめ、両陛下がそれぞれ撮影したご家族の写真や、両陛下が互いに取り交わした記念の品などが展示されている。4月21日まで(休館日は毎週月曜と金曜。2月11日は開館、翌12日は休館)。入館無料。
アップデート
特別展 御即位30年記念
両陛下と文化交流―日本美を伝える―
会期 2019年3月5日~4月29日
会場 東京国立博物館 本館特別4・5室
住所 東京都台東区上野公園13-9
https://tsumugu-exhibition2019.jp
The 30th Anniversary of the Enthronement
Cultural Exchanges of Their Majesties the Emperor and Empress: Sharing the Beauty of Japan
This exhibition features artworks connected to the Imperial Family from the collections of the Imperial Household Agency. These artworks include the folding screens, Poetry and Genre Scenes from Yuki and Suki Provinces for Daijosai (Grand Thanksgiving Festival after the Enthronement), which were created by Higashiyama Kaii and Takayama Tatsuo in 1990 for a ceremony held upon the enthronement of His Majesty the Emperor Akihito. The exhibition also displays Japanese works introduced by Their Majesties the Emperor and Empress of Japan on their visits to foreign countries. The Japanese culture conveyed by Their Majesties deepened the world’s understanding of Japan and further promoted international exchanges with our country. In a year that marks the 30th anniversary of the enthronement of His Majesty the Emperor Akihito, this exhibition introduces the cultural exchange undertaken by Their Majesties the Emperor and Empress of Japan.
https://www.tnm.jp/modules/r_free_page/index.php?id=1943
アップデート、他のエントリー:
令和時代は雅子さまの時代を。
Reiwa Era Should Become The Era of Empress Masako.
https://art-culture.world/articles/reiwa-era-should-become-the-era-of-empress-masako/
新元号「令和」。命令、号令の「令」と昭和天皇の「和」
New name of era under new Japanese Emperor is REIWA. ‘Rei’ like ‘Meirei’, ‘Gorei’ = Order or Command, ‘Wa’ like ‘Showa’ from the Japanese Emperor Showa
https://art-culture.world/articles/reiwa-new-name-of-era-under-new-japanese-emperor-新元号令和/
旧皇室庭園、東京新宿御苑で美しい桜の季節が始まりました
Beautiful Cherry Blossoms Started Blooming at Tokyo Shinjuku Gyoen National Garden (Former Imperial Garden)
https://art-culture.world/articles/tokyo-shinjuku-gyoen-national-garden-cherry-blossom-新宿御苑-桜の季節/
天皇、日本文化の象徴、2019年1月1日
Emperor of Japan, Symbol of Japanese Culture, 1st January 2019
https://art-culture.world/articles/emperor-of-japan-tenno-symbol-of-japanese-culture/
保木将夫氏(代表取締役)について、「本当に、ここに神が表した」・「絶対性を持つ方」と野田弘志氏が隠喩的に述べました、、、
ホキ美術館 ギャラリー8「第4回 私の代表作」紹介 Part2「第4回 私の代表作を語る – 野田弘志」 2020年11月
日本の現代美術界を巡って、NHKの記事をアップさせていただきました。ここに載せたスクリーンショットは、すべて「好意によりクリエーティブ・コモン・センス」の文脈で、日本美術史の記録の為に発表致します。Creative Commons Attribution Noncommercial-NoDerivative Works
photos: cccs courtesy creative common sense